日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2014年年会
セッションID: S2-P01
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S2:岩石—水相互作用(共催:資源地質学会)
大陸衝突帯で見られる高濃度塩水活動に伴う物質移動
*東野 文子河上 哲生土屋 範芳坂田 周平Satish-Kumar M.石川 正弘Grantham Geoff平田 岳史
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抄録
東南極セール・ロンダーネ山地中央部ブラットニーパネに産するGrt-Opx-Hbl片麻岩には、主たる面構造を切って、GrtとHblから成る幅1cmの小岩脈が貫入する。脈の中心から離れるにつれ、HblとBtのCl濃度とHblのK濃度は下がり、PlのNaに富むリムは脈から離れるほど薄くなるため、このGrt-Hbl脈は、NaCl-KClを含む高濃度塩水の流入によって形成されたと考えられる。地質温度圧力計を用いた温度圧力見積もりにより、この高濃度塩水は、片麻状構造の形成後、後退変成期初期に流入したと分かった。さらに、Hbl中のZn, Sr, Ba, Pb, U濃度は脈から離れるにつれて低下し、Nb, Y, REE濃度は脈から離れるほど上昇するため、これらの元素は脈の形成時に、流入・流出したと考えられる。今後さらなる解析を進めることで、高濃度塩水活動に伴う物質移動の解明が期待される。
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© 2014 日本鉱物科学会
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