抄録
四国中央部三波川変成帯にはエクロジャイトを伴う高変成度岩体が存在する.そのひとつの東平変斑れい岩体はこれまでにBanno et al. (1976), Kunugiza et al. (1986), Takasu (1989), 森山(1990), MiyagiandTakasu (2005)等により詳しく研究されてきた.岩石記載と鉱物化学組成より,含藍晶石ざくろ石角閃岩の受けた変成作用は,(i) 第一高圧変成作用,(ii) 第二高圧変成作用,そして第三高圧変成作用の3回の変成イベントに区分できる.今回の講演では,これらの変成イベント区分を示す構造と組織について紹介し,変成履歴を議論する.