抄録
反応-流動系数値シミュレーションは地下水と地層の反応にかかる議論では欠かすことのできない手法となっている。岩石と反応する水の水質や岩石の鉱物組成、化学組成の変化を定量的に扱うツールであり、空隙率や透水性の変化を扱うこともある。水を介したエネルギーや物の移動を対象とすることから、その適用分野は地熱(熱の輸送)、鉱床(有用元素の濃集)、環境(有害元素の拡散)など多岐にわたる。この手法が利用されるようになった背景にはそのためのさまざまな環境が整ってきたことがある。それについて振り返りつつこれからの課題について考察する。