IODP Exp. 345研究航海において東太平洋中央海嶺ヘスディープ海盆で採取されたlayered gabbroの謎の一つは、MORBの結晶作用の末期にしか出現しないはずのOpxが集積鉱物として出現することである。同航海の主要な掘削孔の1つ、Hole U1415Pの上位ユニットを構成する Multi-textured layered gabbroでは、以下のようなOpxの産状が観察される。(1)Troctolite(Fo83, An83)の層構造に調和的な粗粒Opx+Cpx+Pl脈、(2)キンクバンドを有するOl(Fo85)を貫く、未変形なOpx+Pl小脈、(3)他形Olのくびれ部分に形成するOpx、(4)Ol+Plドメインと接触するCr-splの周囲に形成しているOpx。(2)や(3)のようにOlを置き換えるように形成するOpxの産状は、OlとSiO2に富んだメルトとの反応を示唆する。