日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2018年年会
セッションID: S1-P01
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S1:火成作用の物質科学(スペシャルセッション)
茨城県稲田花崗岩体での高密度サンプリングによる化学組成変化の評価
*南 一輝上木 賢太飯塚 毅榎本 三四郎田中 宏幸
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抄録
近年地球ニュートリノを用いて核・マントル中のウラン・トリウム(U-Th)量を推定する研究が急速に進展している (The KamLAND Collaboration, 2011) 。ただし、現在推定されるU-Th量は大幅な不定性を持つ状況であり(Takeuchi et al., in preparation)、原因のひとつとして、単一の岩体内での化学組成のばらつき度合いが定量的には理解されていないことがある。そこで、このようなばらつきを様々な空間スケールで理解するために、単一の岩石サンプル内での元素分布や化学組成のサンプルサイズ依存性の検討を行った。
調査地域は茨城県笠間市に分布する稲田花崗岩である。分析手順として、約500gの岩石サンプルを、一辺約2 cm(約25g)の立方体に細分して、全岩化学組成の分析を行った。 
分析結果から、例えばSiO2では単一の岩石ブロックを分割した9個の立方体試料間で、73~77 wt%の幅が見られた。この結果から、10cm程度といった非常に小さな空間スケールで組成のばらつきが存在することが分かった。
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© 2018 日本鉱物科学会
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