LD研究
Online ISSN : 2434-4907
Print ISSN : 1346-5716
通級指導を利用する発達障害児の保護者に対するペアレント・トレーニング
全5回のプログラムの効果
神山 努澤田 智子岸 明宏
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 25 巻 4 号 p. 476-488

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抄録

本研究は,小学校と中学校において通級指導を利用している発達障害児の保護者に対して,標的行動の選定,先行子操作および強化子の提示による子育ての工夫の立案,保護者記録からの子育ての工夫の自己評価から構成された全5回の集団型ペアレント・トレーニングを行い,その効果を検証することを目的とした。その結果,すべての保護者が保護者記録を継続して実施できたこと,10名中7名の対象児が最低1つ以上の標的行動に改善を示したこと,保護者が回答した新版STAIの状態不安得点が全5回終了時に有意な減少をしたことが示された。今後の課題として,トレーニング中における保護者同士の相互作用と保護者の不安に関する変容との関係の分析,講義やフィードバックの構成と保護者の子育ての知識に関する変容の関係の分析,保護者の子育て行動に対する般化促進手続きの検討があげられた。

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© 2016 一般社団法人 日本LD学会
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