抄録
本研究の目的は,幼児の示すADHDの行動特徴に対する保育者の原因帰属と対応について明らかにすることであった。保育者を対象にアンケート調査を行った結果,ADHDの行動特徴は親や子どもに帰属される傾向があり,ポジティブな関与(「本人のよいところを褒める」「行動の理由を尋ねる」「より愛情をそそぐ」)が最も選択された。保育経験年数や障害児保育経験によって,原因帰属と対応の関連が異なり,経験により,日々の生活や友達関係を重視するようになることが示唆された。また,原因帰属の様相によって対応が異なることが示された。