LD研究
Online ISSN : 2434-4907
Print ISSN : 1346-5716
加減算習得の学年推移と計算に困難のある子どもの特徴
制限時間下での正答率と反応時間の分析
山本 ゆう安藤 瑞穂熊谷 恵子
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 31 巻 2 号 p. 135-155

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抄録

子どもは加減算を実行するとき,指を使ったり数えたりする方略から次第に答えを記憶から引き出す方略へと変化していく。そして,より速い反応時間で計算が実行できるように自動化する。しかし,どの学年段階で自動化が完成するのかは明らかになっていない。また,加減算の難易度についてもいまだ研究は少ない。本研究は,通常学級に在籍する1年生から4年生の児童に対して加減算の課題を実施し,反応と反応時間を測定した。そして,学年変化と,式別の難易度を検討した。また,計算困難のある子どもの特徴を明らかにすることを目的とした。結果,2年生以上において加減算の計算の自動化は十分でないことが明らかとなった。また,式別の難易度が明らかとなり,有効な指導法や系統的な指導への示唆が得られた。さらに,計算困難がある子どもの特徴が明らかとなり,早期支援の重要性が見出された。

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© 2022 一般社団法人 日本LD学会
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