景観生態学
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特集「生物多様性情報を地図化する」
野生生物の分布の地図化とその問題点
名取 睦, 杉村 尚, 須藤 健二, 岩城 光, 戸田 光彦, 笹渕 紘平
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キーワード: 地図化, GIS, 野生生物分布
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2014 年 19 巻 2 号 p. 105-109

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抄録
生物多様性地図は行政,民間,研究者,一般市民など多様な主体の間で合意形成をする際に強力なツールとなる.近年ではオープンソースGISや無償のWebGISサービスなどを使って空間データを収集,管理,解析すること一般的になっている.しかし国レベルの野生生物の分布データはまだ十分とは言えず,将来的にそうしたデータを収集する上での課題も多い.そこで本稿では環境省が2012年に公開した生物多様性評価地図を例に,野生生物のデータ収集に関する現在の課題を議論した.第一の課題はデータの位置精度である.特に過去の分布データの位置情報は様々な異なる形式になっている.また絶滅危惧種の位置情報は保全上の理由から公開されていない事が多い.第二の課題は同定精度である.絶滅危惧種の同定は専門家でないと難しく,また分類学上の変更も多い.第三の課題はデータ更新である.科学博物館の標本収集活動は困難になっており,国の野生生物分布調査も予算規模が縮小されつつある.第四の課題はデータが持つ偏りである.標本,鳥獣捕獲,環境影響評価など異なる情報源からのデータを使った空間解析は生物多様性の地図化に不可欠であるが,データの精度が異なる調査データを標準化するのは難しい.こうした課題解決のためには野生生物のデータを標準化し収集する共通のプラットフォームや,現地調査データの不足を補う予測モデルの開発などが必要である.
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© 2014 日本景観生態学会
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