2016 年 21 巻 1 号 p. 57-67
風土構造の把握を基にした,豊かな空間の再生・創造が必要だ.そのツールとしての景観生態学の有効性を,以下のように検討した.まず,「景観」の概念をふりかえり,景観生態学のめざすところについて整理した.次に,和辻,ベルク,桑子の論説を基に「風土」の概念整理を行った.そして,風土は,自然―人―手段―道具・技術の円環的で動的な関係性によって類型化できることを示した.あわせて,風土という側面からみたとき,日本の国土空間が危機的な状況にあるということについても整理し,「風土」と「地域・まちづくり」を結び付けることの意味と必要性を浮かび上がらせた.最後に,景観生態学が風土の把握にどのように役立てられるのか,具体的に示した.