2015 年 6 巻 1 号 p. 10-14
若年健常人を対象に加速度センサによる歩行分析の妥当性を検討した.自由歩行中に第3 腰椎(L3)および第2 仙椎(S2)高位に装着した加速度センサから得られる体幹加速度と,床反力から計算した重心加速度の相互相関係数を左右,前後,垂直成分別に求めた結果,前後と垂直方向において体幹加速度と重心加速度の相互相関係数が高く,S2 よりL3 が有意に高値であった(p<0.05).一方,左右方向では体幹加速度と重心加速度の間に相関がなかった.加速度センサの特徴を十分に理解した上で,前後と垂直方向の体幹加速度を重心加速度の代用として用いることで,臨床応用が期待できることが示唆された.