2015 年 6 巻 1 号 p. 24-35
最近,がん患者数は増加しており,骨転移患者数も増加している.骨転移を有するがん患者には,病的骨折や麻痺などの骨関連事象が発生し,Activities of daily living(ADL)やQuality of life (QOL)が低下することが少なくない.ADL が低下した場合,化学療法が行えなくなることもあり,生命予後とも関連している.骨転移患者のADL を向上するためには様々な取り組みが必要である. 本稿では,骨転移患者のADL,QOL を維持向上させるためのリハビリテーションとして,リハビリテーション前の病的骨折リスク評価,多職種チーム医療,運動療法,患者指導,環境調節等について述べる.