日本地方財政学会研究叢書
Online ISSN : 2436-7125
研究論文
起債許可団体の指定が地方公共団体の行動に与える影響
卿 瑞
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2022 年 29 巻 p. 67-92

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抄録

 2006年度,地方債の起債制度は発行が原則禁止の許可制度から,原則自由の協議制度へと移行した.その際,早期是正措置としての地方財政法上の許可制度が設けられた.本稿は,2008年度決算に基づく健全化判断比率および2009年度の市町村レベルの起債関連データを用いて,起債許可団体の指定が地方公共団体の起債・償還行動に与える効果を回帰不連続デザインの枠組みで推定した.その結果,起債許可団体の指定による起債抑制効果は公営住宅建設事業債,単独災害復旧事業債,旧市町村合併推進事業債など,ごく一部の地方債にとどまることが分かった.また,借入先別に見ても,許可制度は財政融資資金による地方債引受額および市場公募地方債発行額に有意な影響を及ぼしていない.推定結果は,帯域幅および内生的なソーティングに対しては頑健的と考えられる.

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© 2022 日本地方財政学会
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