言語政策
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研究ノート
英語検定協会による高校教育への関与の正当化過程(1963-2000)
─英検の「公共性」と1990 年前後の大学入試の動きに着目して─
孫工 季也
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2025 年 21 巻 1 号 p. 21_43-21_58

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抄録

本稿は、日本英語検定協会が発行する機関紙を精査することで英検協会が高校教育への関与を正当化していった経緯とその特徴を、民間教育事業者による学校教育への関与を扱う研究に位置付けつつ検討した。その結果3つの正当化を明らかにした。
1つ目は「公共性」の構築である。英検は文部省による社会教育政策の一環として誕生し、その後も文部省との関係を強めていった。この「公共性」を拠り所に英検協会は学校教育への関与を正当化していった。
2つ目は短大・大学入試の勉強との連結である。英検の試験問題と入試問題の類似性が示され、英検の勉強が短大・大学入試の勉強となるとされた。また英検の勉強は大学受験対策を十分に行えない高校教育現場において、受験対策の補完になるとされた。
3つ目は入試における英検優遇の増加である。優遇校の増加は受験生に対し、短大・大学入試で有利になるために英検を受験するという論理を成立させた。また、英検資格を所持することは進路指導を円滑に進める点で、高校教師にとっても利益があるとされた。

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