沙漠研究
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小特集原著論文:逼迫する乾燥地の水資源とその対策
チュニジア国Joumine貯水池堆積土を用いた浄水フィルター用容器の作製
藤 正督高井 千加土本 順造入江 光輝Jamila Tarhouni
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2017 年 27 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

チュニジア国のような乾燥地の河川領域の貯水池は,水資源として利用される一方,植生被覆が少なく降雨時の土壌浸食が著しい.貯水池内に堆積した浮遊土は貯水容量を低下させる.また,同国地下水の一部は多量のフッ素を含み,フッ素症の多発が問題となっている.本研究はこれらの課題を解決すべく,チュニジア国のJoumine貯水池堆積土を用い,地下水に残存するフッ素除去を目的とした浄水フィルター用容器作製を試みた.X線回折結果から,堆積土成分はセラミックス原料として用いることができることを確認した.粒子が細かいため成形体の収縮が大きくなり,大型や複雑形状のセラミックス作製に利用することは難しいことがわかった.これはチュニジアで入手した粒子径50-100 μm程度の砂を30%程度混入することで解決できることを見出した.鋳込により成形体を得ることができたことから,大型機器を用いなくても中量産できることが確認できた.900℃,1時間以上の焼成で十分に焼き締まり止水することから,浄水フィルター用容器として十分に利用出来ることがわかった.また,900℃での焼成が可能であることから特別な設備を用いることなく焼成でき,貯水池オンサイトまたは近隣でのセラミックス作製の可能性を示すことができた.

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© 2017 日本沙漠学会
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