沙漠研究
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原著論文
イシク・クル州における有機農家のニーズの調査:キルギスにおける有機農業導入への影響
イゴール タラノフ丸 健川端 良子
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2024 年 34 巻 2 号 p. 65-77

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抄録

農業普及システムについての情報を検証し,農家の情報ニーズをより深く理解することは,農業普及アプローチのカスタマイズに貢献し,持続可能な農業形態の可能性を調べることは非常に重要である.本論文では,キルギス共和国イシククル州の有機栽培農家を対象に実施した調査から得られたデータを使用して,農業関連情報に関する有機農家の情報ニーズを分析した.探索的因子分析(EFA)により,情報ニーズに関連する4つの因子が特定された.(1)ネットワーク,(2)農業の専門知識,(3)農業ガバナンス,(4)市場情報である.次に,各因子の相対的な重要性を特定した.農業の専門知識が最も高いランクにあり,市場情報,ネットワーク,農業ガバナンスがそれに続いた.農業の専門知識の因子のすべてのステートメントの平均値は4を超えており,有機農家にとっての重要性を示し,有機農業の実践のさまざまな側面にわたる多様な知識要件を反映していた.4因子EFAモデルで,分散が67.76%であった.因子間の相関は0.358を超えず,因子が明確であることを示した.回答者が表明した情報ニーズから,農業投入資材へのアクセスと使用,農家のネットワークの構築,マーケティングに関するより関連性の高いカスタマイズされた情報が普及されるべきであることを示唆された.順列多重分散分析と一対一検定により,場所と教育的背景が特定された要因に重要な影響を与えることが示された.有機原則のさらなる推進を確実にするために,複数の利害関係者が有機農家に関連性のあるタイムリーな情報を提供することを目的とした共同活動を行うべきである.調査結果は,有機農家の情報ニーズを形成する要因を理解し,需要主導型の農業普及システムと有機農家間の強固なネットワークを提唱し,キルギスで有機農業をさらに推進することに貢献すると考えられる.

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