メディア・英語・コミュニケーション
Online ISSN : 2436-8016
Print ISSN : 2186-1420
研究論文
マンガの翻訳的配置における翻訳判断の根拠づけ
南津 佳広春口 淳一春木 茂宏
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ジャーナル オープンアクセス HTML

2026 年 16 巻 p. 21-41

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抄録
本研究では、マンガ翻訳における判断が、どのような根拠によって説明・正当化されるのかを検討した。分析にあたっては、翻訳的配置(訳文が置かれる版面上・課題上の環境)を、参加者が利用できた手がかりと、回答のなかで実際に参照された手がかりとに区別して扱った。日本人大学生18名は、13回の授業の初回(R1)と最終回(R2)に、同一の『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』(以下『はめふら』)の日英パネルを用いて、同一文面の設問Q1(気づきの記述)とQ2(代替訳の提案とその理由)に回答した。中間11回では、『はめふら』、『サザエさん』、『ドラゴンボール』の英語台詞とパネルのみを提示し、日本語原文を伏せたまま英日再翻訳を行わせ、提出後に個別フィードバックと匿名での全体添削を実施した。設問Q3(巧みだと感じた訳の同定とその理由)は最終回(R2)のみ行った。分析には、Q1に質的内容分析、Q2に再帰的テーマ分析、Q3に指向的質的内容分析を用いた。R2のQ1では、言い換え、スタンス、対人・受け手効果に関するコードの密度が高かった。Q2では、英語入力との整合、声・スタンス、文脈・視覚情報、簡潔さが代替訳の根拠となった。Q3の回答100件のうち18件には、複数の根拠を順序づける明示的な連鎖が認められた。以上より、手がかりの利用可能性と実際の参照とを区別し、判断が生み出された課題環境に即して分析することの有用性が示された。
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© 2026 Yoshihiro Minamitsu, Junichi Haruguchi, Shigehiro Haruki

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