2012 年 2 巻 1 号 p. 51-70
世界中のメディア各社は特定の社会から談話を発信する社会的機関である。メディアの談話は、ジャーナリストを取り巻く社会の影響を色濃く受けた視点や価値観を通して生み出された言説である。本稿では、2 つのメディアが日本の歴史教科書と第二次世界大戦以後の日本を描く際にどのようなイデオロギーに基づいているのかを、批判的談話分析(CDA)の枠組みを用いて分析する。CDA を用いることで、メディアの談話が生み出される社会的文脈において、語彙や文法がどのように使用されているのかを分析することで、その背後にあるイデオロギーを分析することができる。