2013 年 3 巻 1 号 p. 13-30
本論は、海外活字メディアによる東日本大震災報道の中で、日本と日本人の実態がどのように映し出され、対日イメージを形成していたのかを、海外活字メディアに表出された言語情報を分析対象として考察したものである。本論では、英語を⺟語とする主要英語圏 [インナーサークル] の有⼒活字メディアを分析対象資料とした。また、⽅法としてコーパス分析とメディア評価分析を採⽤した。まず、分析対象コーパスと参照コーパスとを比較検証し、分析対象コーパスから震災報道に関する特徴的な語を抽出し、それに基づいて対日イメージに関する評価語を選定した。次に、客観的かつ一般的な評価表現を一次的評価語として排除し、対日イメージの形成に影響のある感情[情緒]的な表現を二次的評価語として分析対象語とした。そして、感情語辞書による評価極性(値)を参照しながら、⽤例分析を試みた。その際、国内活字メディアも比較対照とした。結果として、称賛報道や肯定的評価だけではなく、環境因子としての⽂化的要素が二次的評価語の評価極性(値)に作⽤したことにより、対日イメージに負の影響を与えたということが明らかになった。