2017 年 7 巻 1 号 p. 67-84
本稿は大学1年時の必修英語科目において、自律的な学習者を育成する試みとして英字新聞の記事を個々の学生に自由に選ばせ、その内容についてプレゼンテーションしてもらうという学習者中心のアプローチに基づく授業実践についての報告である。英文記事の選択にあたっては、検索ツールとしてオンラインデータベース LexisNexis を紹介し利用を促した。記事の選択からプレゼンテーションの方法にいたるまで学習者の判断にゆだねたことに対して、学習者がどのように受け止めたのかを質問紙法によって調査し、その結果から得られる示唆について論じている。また、Benson(2001)のモデルを援用して、今後のメディア英語教育への展望と自律的な言語学習者を育成していくうえでの課題についても言及する。