2019 年 18 巻 1 号 p. 11-15
近年,インプラント治療をうける患者は増加の一途をたどり,なかには対応に苦慮する患者に遭遇することは少なくない.インプラント治療は問題なく終了し,歯科学的にも問題となる所見は見当たらないものの,治療を機に口腔内違和感や気分の低下・不調を訴えてくる患者に遭遇することがある.患者の訴えは多様化し,時にストレスフルな状況になると症状への訴えも強まる.こうした背景の中,インプラント治療に際しては,患者の心身面にも目を向けることが望まれる.とりわけ,患者とのコミュニケーションを多く交わすデンタルスタッフからの情報収集や患者支援は重要である.本稿では,起こり得る患者トラブルを招かないために,チーム医療を通してとり組むリスクマネジメントについて紹介した.