日本顎顔面インプラント学会誌
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症例報告
巨大な下顎骨エナメル上皮腫摘出後にインプラント治療を行った1例:11年経過症例
丸川 恵理子, 立川 敬子, 望月 裕美, 高橋 幸伸, 原田 浩之, 春日井 昇平
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2020 年 19 巻 1 号 p. 13-18

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抄録

下顎エナメル上皮腫の治療法としては保存的治療としての開窓・摘出療法,根治的治療としての下顎辺縁切除術や下顎区域切除術後,顎堤形成や血管柄付骨移植が行われる.今回,巨大な下顎骨エナメル上皮腫の摘出後に固定性インプラントで補綴し,長期的に良好な経過が得られたので報告する.

患者は23歳男性で,左側下顎前歯部の歯肉腫脹に気づくも放置していた.同部咬合痛と右側オトガイ神経領域の知覚鈍麻が出現し,増悪傾向を認めたため,当科を受診した.オトガイ部が膨隆しており,パノラマエックス線写真にて両側下顎下縁に及ぶ広範な多房性の囊胞様透過像を認めた.

左下Eの抜歯と生検を行い,同部を開窓した.病理組織診断はエナメル上皮腫であった.右下Eから左下4までの連続した歯8本を抜歯し,腫瘍摘出・搔爬(開放創)を行った.反復処置を施行後6か月で腸骨海綿骨移植による顎堤形成術を施行した.その7か月後インプラントを6本植立し,その11か月後スクリュー固定式上部構造を装着した.

開窓・摘出・反復処置法は時間を要し,再発の可能性が高いといった欠点があるが,今回は本来の顎骨の形態を保つことができ,さらにインプラント治療を行うことで,機能的・審美的に良好な結果が得られた.11年経過した現在も腫瘍の再発を認めていない.

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© 2020 日本顎顔面インプラント学会
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