2000 年 20 巻 2 号 p. 87-94
診療情報交換を多施設間で考えたとき,情報の詳細度と交換規約の適応範囲の広さは相反する.そのため,有効な診療情報交換のためには,使用目的(ユースケース)を明確化する必要がある.そこで本研究では,診療情報提供紹介状の電子化による施設間連携を目的として,MERIT-9紹介状形式を定め,これをHISの持つ情報から半自動的に作成するHISクライアントをNEC社PC-ORDERING97のクライアントに作成し,患者基本情報や検査結果,処方などを取り込み,FDやCDに電子紹介状を作成する機能を実現した.またこれで作成したMERIT-9紹介状形式準拠文書を,東京大学で作成したブラウザと,浜松医科大学で作成したブラウザで,PC上に再現する実験をおこなった.結果として情報移転は問題なくおこなわれたので,今後はこの機能の普及を他のHISやレセコンに図るとともに,厚生省事業である診療情報交換データ項目セットとの連携を図っていく予定である.