医療情報学
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技術ノート
薬剤情報提供説明書と薬袋を一体化した薬袋印字システムの開発
斎藤 真一郎篠 道弘斎藤 完治冨澤 達稲荷 恭三中橋 望中妻 大之介
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キーワード: 薬剤情報, 薬袋印字機, 薬袋
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2000 年 20 巻 3 号 p. 221-229

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抄録

 平成11年5月31日に開設された「医薬品情報提供ホームページ」(URL: http//www.pharmasys.gr.jp)には,添付文書だけでなく副作用症例なども公開されており,医薬品情報が医療関係者だけの情報ではない時代になっている.医薬品情報の公開は,「平易な理解しやすい情報を提供できるか?」が薬剤師に求められているだけでなく,医療訴訟に対するリスクマネジメントの観点からも「十分な情報」の提供が求められるものと考えている.効能効果だけでなく,薬に関する注意事項,禁忌事項,副作用の初期症状を提供するには十分な印字スペースを確保するとともに,高速印字可能なプリンターが必要である.また,薬袋とは別の用紙に薬剤情報を印字する方式は,薬剤説明書を取り揃え薬袋に入れる作業が必要となり調剤効率の低下を招くことになる.そこで薬袋に十分な薬剤情報を提供する機能を付加するため,従来の薬袋スタイルを見直した.我々が開発した薬袋印字システムは,患者氏名や用法用量などの薬袋情報と効能効果や副作用などの薬剤情報を印字した用紙を片面透明な袋に入れるものである.これにより,従来の調剤方法を変えることなく,より効率的な薬剤情報提供業務を実現できたものと考えている.

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© 2000 一般社団法人 日本医療情報学会
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