2001 年 21 巻 2 号 p. 151-159
個人の生活習慣を質問票形式で入力し,その内容を評価して改善のためのアドバイスを表示するコンピュータシステムとして,櫻木らによる生活習慣評価システム(LES)がある.本研究では,公衆衛生分野におけるLESと同様の質問―評価―結果表示形式のシステムの生産性・保守性を高めるためのアプリケーションフレームワークを開発した.質問票と評価結果の表示内容の記述にはXMLを用い,Java言語を用いて実装した.ユーザインターフェース部分と回答データ表現部分,および評価部分を分離した設計を行い,各々独立して開発を進めることができる.LESを本フレームワークを用いて再実装し,評価を行った.評価部分で使われた70種のAPIのうちJava標準APIは3種のみであった.本フレームワークを利用することで,質問票や評価結果の表示内容の記述には情報技術の専門知識は必要ではなくなり,また評価部分の作成にも言語の標準APIに関する理解は不要となった.