2001 年 21 巻 5 号 p. 299-304
医療へのVirtual Reality技術の応用は,手術訓練用のシミュレータや恐怖症などの神経症への脱感作療法として実用化されている.また,医学研究分野では,生物現象や人体の生理現象を情報学の手法をもとにVirtual CellやVirtual Humanのように可視化する研究も始まっている.現在までのVirtual Reality研究は,没入感を重視した研究であったが,今後,人体の法則の骨格をなす生物学と物理学に基づいて作られるHuman Principle Engineの構築とそれをもとにした自動性や実時間での双方向性の実現に向けた研究に移行する必要がある.本稿では,現在のVirtual Reality技術の医療や医学研究への応用について概説し,本分野へのSupercomputing科学応用の必要性について述べる.