2002 年 22 巻 1 号 p. 103-110
地域住民の健康向上のために,老人保健法による基本健康診査結果を個別的な保健指導につなげ,より効果的な自己健康管理に役立てることを目的とした健康カードシステムを開発した.表示内容は基本健康診査の受診歴,レーダチャート,時系列グラフ,数値データである.様々なメディアに対応可能で,簡単に住民が家庭で参照できる.データはcsv形式で記録され,自由なデータの追加入力や独自のグラフ作成も可能となった.データとプログラムを同時記録としたことで,自由にシステムのバージョンアップをすることができる.伊勢原市の基本健診事後相談事業において活用されている.2001年6月~10月の事業参加者の当日質問紙(回答率66%)で,「表示画面から自分の健康状態が分かった」と答えた人は97%であり,また,「経年的かつビジュアルなレーダチャートや時系列グラフにより,自分の健康状態が分かった」とした人が有意に多かった.このシステムが自分の健康管理に役立つと答えた人は91%であり,従来のカードシステムとの比較検定でも有意な差が認められ,自己健康管理に有効であると考えられる.