2002 年 22 巻 1 号 p. 95-102
POSに基づくテンプレート入力の電子カルテのプロトタイプを開発し,その有効性を検討する目的で,外来試用評価を行った.テンプレートには患者のプロブレム毎に必要な診察項目が入力でき,必要な検査データだけを自動表示する.自由文のSOAP形式の記入も可能である.また,任意の検査,処方,身体所見各データの履歴もグラフ表示できる.これにcommon diseaseを中心とした20疾患のテンプレートを作成し,292名の患者にのべ920回の試用を行った.紙カルテとの比較評価をしたところ,一人当たりの診察時間は約1分,カルテ操作時間は約30秒増加した.カルテ操作時間の増加は,テンプレート入力ではなくキーボート入力に起因していた.カルテ充実度の一指標とした記入項目数は約2倍に増加しており,テンプレートのメリットは大きいと思われる.さらに検査データグラフ表示機能等により説得性や診療の質的向上が期待できる.患者にも好意的に迎えられたが,医師からは端末に向かうため患者と対向できず,診療に集中しにくい等の問題が指摘された.