2002 年 22 巻 3 号 p. 259-266
遠隔手術においては術野および手術室の映像提示が手術の状況把握を支援する上で必要不可欠である.術野や手術室の状況を的確に把握するためには,患部と術具の三次元的な位置関係を正確に把握でき,かつ,術室全体の様子を俯瞰できることが必須であると考えられる.本論文では術野周辺の正確な空間状況提示と手術室全体の概況提示を両立しうる映像提示法である立体展開映像を提案する.立体展開映像は,互いに光軸が直交する3系統の術野近傍映像と,術室を俯瞰する1系統の状況映像を,三面図の要領で一画面中に統合した映像である.立体展開映像の有効性を,穿刺術を想定した遠隔マスタ・スレーブマニピュレータによる術具操作タスクにおいて,術具姿勢の誤差,タスク実行時間,およびマニピュレータの総移動距離の各項目に対する有意差検定,および,提示される映像の違和感,ロボット操作の難しさ,および提示映像からの空間把握の容易さの各項目に対する官能評価により検証した.