近年,看護大学や大学院の設置など,看護の高学歴化が進む中,看護情報教育はその多くの教育機関において実施されてきている.しかし,情報技術の発達やカルテ開示など,情報を中心とした看護を取り巻く環境は急速に変化しており,これらの急速な変化に対応するためには,看護師養成教育機関を卒業後の継続教育が不可欠になると考えられる.本研究では,現在,病院に勤務している看護師を対象に,今まで受けてきた情報教育の経験や勤務先での継続教育における看護情報教育の実施状況について調査を行った.その結果,看護師養成教育機関において情報に関連した講義を受けた経験のある看護師は少なく,継続教育において情報教育を受けた経験のある看護師も少ないことが明らかになった.また,今後の継続教育における看護情報教育の必要性は多くの看護師が認めており,看護の専門性を有した「看護情報学」としての教育内容の確立や方法などの整備が必要であると考えられた.