医療情報学
Online ISSN : 2188-8469
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22 巻, 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
原著
  • Atsue ISHII, Yuko OHNO, Satoko KASAHARA, Katsumi HIRAKAWA, Yuko KITAMU ...
    2002 年 22 巻 5 号 p. 367-375
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/08/14
    ジャーナル フリー

    Background: Nursing activity should be evaluated from the viewpoint of the balance of “patient’s demand” and “nursing supply.” In this study, the relationship between nursing care time and the patient’s condition was investigated by Multilevel analysis.

    Method: The patient’s condition is thought to reflect the “patient’s demand” and is classified into two groups, “human needs originated patient’s condition (HNOPC)” and “medical treatment originated patient’s condition (MTOPC).” Time-motion study data of nursing care were used as “nursing supply,” from an investigation conducted for 15 days in an acute-care and surgical ward of a university hospital in July 1999 and August 2000. At the same time, inpatient’s information on HNOPC and MTOPC were collected for all of the evaluated patients in the ward. Multilevel analysis was applied to examine which group of patient’s conditions would have more effect on patient’s care time. Furthermore, the number of “postoperative days” was employed as the predictor variable because it was an important factor that effected “patient’s demand” and “nursing supply” in the surgical ward. The model selection was done by Akaike’s Information Criteria (AIC).

    Results and Discussions: The MTOPC group showed a stronger influence on patient’s care time than the HNOPC group. The most effective items were [impaired verbal communication] in HNOPC and [move-in] in MTOPC. The effect of “postoperative days” on the patient’s care time was not so large. The statistically significant coefficients of each model showed good agreement with clinical knowledge.

  • 保坂 良資
    2002 年 22 巻 5 号 p. 377-386
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/08/14
    ジャーナル フリー

     看護情報システムの多くは,情報入力インターフェイスとしてQWERTY式キーボードやマウスを利用している.しかしQWERTY式キーボードの操作は,看護師のような計算機環境の初心者にとって容易とはいえない.このままでは,人間と機械との整合がとれず,ヒューマンエラーの発生が懸念される.本研究では,携帯電話式入力インターフェイスを,看護師向け情報入力インターフェイスとして提案する.ここでは,QWERTY式キーボードと共にテキスト入力実験を行い,そのパフォーマンスを評価した.その結果,看護師に適した情報入力インターフェイスであるとの結論を得た.

技術ノート
  • 五十嵐 美和, 阿部 聖世, 宇佐美 恵子, 谷川 睦子, 久保 隆彦, 名取 道也, 富士通医療システム事業部 富士通システムソリューショ ...
    2002 年 22 巻 5 号 p. 387-390
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/08/14
    ジャーナル フリー

     プレグノグラム(妊娠経過図)は医師・助産師が妊婦の情報を記入し,表・グラフ化してわかりやすく示すものである.

     私たちは,当センターでのカルテの電子化に伴い,プレグノグラムの見直しを行った.見直した内容は,数値入力した項目のグラフ化,医師の指示した検査の実施の反映,検査部門と連携した尿検査結果の自動取り込みをはじめとする,情報の整理である.この結果,妊婦健診において助産師が妊婦と一緒にプレグノグラムを見ながら保健指導を行うことが可能になり,情報を共有し,妊婦自身も自分の経過を視覚的に確認できるようになった.

     また,妊娠各期の保健指導項目を整理し,妊娠週数に合わせた項目が表示されるようにした.指導した項目はコメントも含めてプレグノグラムに反映されるようになり,継続指導がもれなく行われ,計画的な保健指導の充実に繋がっている.

  • 高崎 光浩, 服部 佳代子, 北原 真里子, 溝口 明美, 大島 玲子, 浦山 緑, 内野 秋子, 和田 米敏, 井原 貴子
    2002 年 22 巻 5 号 p. 391-398
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/08/14
    ジャーナル フリー

     佐賀県における子育てのあり方を地域全体で考え愛情をもった育児・育児支援が図られることを目的としたインターネット上の情報提供サイトを構築し,運用している.地域情報については行政機関とも内容を検討したため,地域全体で子育てについて考える第一歩につながったと思われる.従来は自治体や病院・医院等が実施している保健指導,母親学級,母子健康相談の受講などが唯一の情報源であったが,働く女性の増加と就労形態の変化によりそれらの受講が困難となっている.インターネットでの情報提供は現状の解決策のひとつと考えられる.

     このサイトの運用により,子育て対象者の仲間づくり・仲間意識の向上・専門家による子育てに関する正しい知識の普及を図ることができ,当事者の不安の軽減に役立っていると思われる.より細かな需要の把握とコミュニケーション実現のために,掲示板の有効かつ活発な活用に向けて検討が必要であることが示唆された.

  • 高見 美樹, 石垣 恭子, 水流 聡子
    2002 年 22 巻 5 号 p. 399-408
    発行日: 2002年
    公開日: 2017/08/14
    ジャーナル フリー

     近年,看護大学や大学院の設置など,看護の高学歴化が進む中,看護情報教育はその多くの教育機関において実施されてきている.しかし,情報技術の発達やカルテ開示など,情報を中心とした看護を取り巻く環境は急速に変化しており,これらの急速な変化に対応するためには,看護師養成教育機関を卒業後の継続教育が不可欠になると考えられる.本研究では,現在,病院に勤務している看護師を対象に,今まで受けてきた情報教育の経験や勤務先での継続教育における看護情報教育の実施状況について調査を行った.その結果,看護師養成教育機関において情報に関連した講義を受けた経験のある看護師は少なく,継続教育において情報教育を受けた経験のある看護師も少ないことが明らかになった.また,今後の継続教育における看護情報教育の必要性は多くの看護師が認めており,看護の専門性を有した「看護情報学」としての教育内容の確立や方法などの整備が必要であると考えられた.

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