2004 年 24 巻 1 号 p. 11-14
金沢医科大学病院では,2000年から電子カルテシステムを用いて診療を行ってきており,この3年間で15万人のすべての医療情報がデジタル化され,蓄積された.そこで,これらの患者の医療情報を地域の各医療機関に還元するためのネットワークシステム(KORMIN: Kanazawa Medical University Oriented Regional Medical Information Network System)を独自に開発した.KORMINの構築に際しては,セキュリティとプライバシーに重点をおいたが,その特徴は,患者の基本情報を置換したことと医療情報の公開期限を制限したことにある.基幹病院で得られた豊富な医療情報を地域医療機関に積極的に提供することが地域医療の質の向上に繋がると考えられるが,そのためにもKORMINはきわめて有用であると考えられた.