医療情報学
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技術ノート
電子カルテ二次利用臨床研究用データ収集システムの開発と展望
山本 景一松本 繁巳松葉 尚子多田 春江松山 晶子柳原 一広手良向 聡福島 雅典
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2007 年 27 巻 2 号 p. 211-218

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抄録
 京都大学医学部附属病院探索医療センター検証部では,京都大学で実施される臨床研究のデータマネジメント・統計解析・モニタリングに関する業務の支援を行っている.従来の臨床研究は,プロトコルごとに個別に紙で作成された症例報告書の記入を行い手作業により回収を行うため,原資料検証を含むデータ品質管理や症例報告書回収等の作業負荷が大きく,一般に高コストになる傾向がある.臨床研究のコスト削減と効率化のために,電子カルテデータの二次利用が期待されている.われわれは,京都大学医学部附属病院外来化学療法部とともに,日常診療からデータ収集・統計解析までの業務を一連の流れとして,電子カルテから必要な情報を集積し,疾患の予後・予後因子・治療成績・医療技術の安全性等を評価する臨床研究用データ収集システムを考案し,完成を目指している.本システムを複数施設に導入し,導入先施設からデータを収集することにより,がん領域における大規模な臨床医学研究用データベースとなり得る.本システムの開発により,臨床研究のコスト削減・効率化・品質向上が期待される.
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© 2007 一般社団法人 日本医療情報学会
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