抄録
生活習慣病を予防し,国民の健康寿命を延伸することは,少子高齢化が進むわが国の喫緊の課題である.近年では,ネットワークやセンシング技術が進歩しており,これらの技術で得られたデータを有効活用し,健康管理に役立てるシステムの開発が求められている.我々はこれまでに,個人の生活習慣と健康状態のデータをDB(Database)に蓄積し,時系列データ解析から個人毎の相関ルールを抽出する,健康データマイニング・システムを開発してきた.本研究では健康データマイニングの技術をコアにし,個人の健康管理と特定保健指導を支援する健康管理ASP (Application Service Provider)システムを,企業との共同研究により開発した.健康管理対象者であるユーザ(エンドユーザ)が,自身のデータを携帯電話,PC (Personal Computer),自動入力機器などからインターネット上のDBへ蓄積すると,ユーザ毎の相関ルールが抽出される.また保健指導者はこの相関ルールを参考に,オンラインで保健指導を行うことができる.ユーザは,これらの情報を基に自身の健康を管理することが可能となり,データの蓄積から活用におけるスキームの一例が示された.