医療情報学
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原著-研究論文
医療記録の電子化は有害事象を少なくするか?—日本の現状—
田中 武志石川 澄池内 実津久間 秀彦楠岡 英雄梅里 良正岸 真司土屋 文人大原 信高橋 静子村上 典子大道 久
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2010 年 30 巻 5 号 p. 261-270

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抄録

 日本医療機能評価機構による503施設の調査結果を用いて著者らは,電子医療記録がどの程度医療安全を向上させているかをアンケート調査し,200床以下,201床以上400床以下,401床以上,および,2005年以前と2006年以降に類型化して分析を行った.その結果,医療安全に対する電子医療記録システムの機能の向上は年次的に認められるものの,情報システム側だけでなくユーザの操作の面にも問題があり,医療における有害事象,あるいはそれにつながる事象を招く要因になっている可能性があることが示唆された.
 以上のことから,医療記録の精度と現場の安全性を向上させるために著者らは,システムベンダは医療の分野に精通したエンジニアを育て,病院側は技術に精通した情報管理部門スタッフを育成し,複数病院にわたって両者が協力して,医療プロセスに即した使いやすいユーザインタフェイスの改良,標準マスタの整備等を行うことを提案する.

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© 2010 一般社団法人 日本医療情報学会
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