抄録
本研究では,肢体不自由児施設入所児182名を対象に運動障害および知的障害と活動・参加との関連を明らかにすることを目的とした.調査項目は「知的機能」と「運動機能」の2項目を大島の分類を用いて設定し,活動・参加の項目をWHO:国際生活機能分類(ICF)の分類項目から11項目を選択した.分析では順位相関分析を用いた.順位相関係数は活動・参加の全項目と知的機能あるいは運動機能との間に中度から強度の相関がみられ,相関の程度は知的機能の方が運動機能より高かった.また,これらの機能障害に加えて物理的環境や人的支援などの背景因子が活動・参加に促進的な効果をもつことが推察された.対象児の支援計画には特に知的機能障害に配慮する必要を示唆した.