医療情報学
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春季学術大会論文
教育用電子カルテを用いた症例経営分析教育の試み
山崎 友義酒田 拓也鈴木 斎王荒木 賢二甲斐 由紀子
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2013 年 33 巻 4 号 p. 219-223

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抄録
 DPC データによる量的経営分析は病院経営の有効な手法である.しかし,同一DPCでも症例ごとに投入する医療資源量は異なり,現場の医師が分析結果を受容しやすい内容の提示は難しい.われわれは上記の量的な分析とともに電子カルテのテキスト記録の質的分析を追加した症例経営分析を継続して行い,その内容で現場の医師たちに行動変容を促している.この分析手法を普及させるため,患者個人情報を匿名化した教育用電子カルテを作成し,これを用いて医療経営分析担当者を対象とした教育プログラムの開発を試みている.本稿では,このプログラムを用いた講習会の結果より,開発した手法の効果を検討した.
 教育プログラムの受講者に上記の電子カルテを使用させ,症例経営分析を行わせた.分析結果は,医師や事務担当者の患者病態把握や知識不足が,コーディングミスや長期入院の原因・誘因だと指摘した質的分析内容を提示し,この教育手法の有効性が示唆できた.
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© 2013 一般社団法人 日本医療情報学会
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