保険薬局での医療ミスにおいて，医薬品ピッキングミスは多数を占める．薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業でも全体の25.3％と報告されている．当薬局では2004年に処方せん入力データをもとにPersonal Digital Assistant（以下PDAとする）でのチェックシステムを開発，導入し，ミスの削減に対して効果を上げている．しかし，コストの観点からすべての薬局での導入は行っていない．そこで比較的小規模な薬局でも導入することが容易になるようにスマートデバイスにシステムを移植し評価を行った．バーコードの読み取りには付属カメラを使用した．その結果，医薬品のピッキングミスの割合に既存PDAシステムとの差はなく，安全性の観点からも問題なく運用を行うことができることがわかった．これによりピッキングシステム導入のコストが削減でき，多くの薬局で導入への障壁を下げることができるのではないかと考える．
