抄録
米国民間団体コモンウェルス・ファンドが2009年に行った医療ITのベンチマーク調査を用いて,アンケート方式により病院のITシステム利活用実態を探った.ある条件下の患者のリスト作成業務はDWHの普及のためか電子的に作成できる施設が全体の6-7割と比較的多く認めた.しかし,治験や定期接種などの患者アラートシステムなどは電子的実装率が低かった.投薬後の有害事象の発見報告のプロセスの有無を問う質問ではほとんどの病院ではそのプロセスを持たないか,あっても改善が必要であることがわかった.オーダリングシステムや電子カルテの普及率は海外に比べて著しく高いにもかかわらず,患者本位の仕組みに乏しいことが明らかになった.これからの病院情報システムの方向性として患者本位の仕組みを目指すことが必要と思われた.電子メールを普段の診療に利用しているかとの問に対しては,ほとんどの診療担当医師らは使っていないとのことであった.