医療情報学
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アンケート調査を基にした診療情報提供データの利活用実態調査
渡辺 浩木村 通男川口 一大大江 和彦
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2015 年 35 巻 4 号 p. 177-187

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抄録

 アンケートにより診療情報の提供すべき範囲を探った.紹介元より送られた処方歴や検体検査結果は3カ月前まで目を通すのがピーク,画像情報は1年前までがピークであった.その中で自院での再検査を不要としたのは検体検査結果では半月,画像検査では半月から1カ月以内の検査分がある場合であった.電子カルテの公開機能などにおいて,紹介元患者の診療記事にまで目を通す割合は3割未満であった.今回「郵送配布回収による静岡県内病院担当宛」と「WEBフォームによる医療情報学会(以後JAMIと略す)会員医師宛」の2グループを対象としたため,対象者のIT習熟度や施設の電子カルテ化の程度により一部の回答に解離は認められたが,ほとんどの質問に対しては大きな差は認められなかった.膨大な診療情報を提供しても実際の外来業務の範囲では受け入れられない可能性が多くあることが明らかになった.今後は必要十分な範囲での提供,レポート系の帳票の供給が適切と思われる.

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© 2015 一般社団法人 日本医療情報学会
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