抄録
Arden Syntax(AS)は,臨床判断支援システムにおける論理記述を標準化するドメイン特化型言語として開発された.しかし,臨床知識を取得する標準的手法の不在による移植性・可読性医療の低下が指摘されている.さらに,臨床判断支援システム側の課題として,大量に押し寄せる医療情報を効率的に処理可能な近代的アーキテクチャ上に構築すること,様々な発生源の情報を統一的かつ効率的に処理できること,が挙げられている.本研究では,現代的なオブジェクト指向開発言語がもつ豊富な開発・稼働環境の恩恵を受けるために,ASの仕様に倣った言語内DSLを開発した.さらに,各医療情報システムが依存している情報モデルの差異を吸収するために,データベースのスキーマが標準化されたDWHを前提としたFHIRオブジェクト間のマッピングツールを開発した.純粋なASで記述されたMLMと同等以上の表現能力で移植できることが確認された.従来のAS実装と比較してわれわれの手法は近代的な開発手法,例えばテストドリブン開発,並列分散処理等の恩恵を受けることが可能である.