2016 年 36 巻 1 号 p. 25-31
[背景・目的]視覚障がい者にとってWebは利用頻度の高い情報メディアであり,特にスクリーンリーダを用いた閲覧が多くなされる.しかし,多くの公共機関や医療機関のWebpageでは十分な対応が為されていないのが現状であリ,改善のためにはコンテンツの情報も含めて整理する必要がある.[方法]2015年1月に国立大学病院の47のWebsiteのTop-pageについて,1)Accessibility評価によるサイトの分類,および2)Webpage上の情報項目とその出現順序,について調査した.[結果]1)視覚障がいに対応する機能を持つものの,スクリーンリーダが読み上げるコメント等の不備によってJIS規格を十分に満たさないWebsiteが多く,全体として対応が不十分であること,および2)ほとんどすべての病院において患者の受診に必要と思われる情報は提示され,提示順序も比較的上位にあるものの,病院ごとの差が非常に大きいこと,が判明した.[考察]JISに則ってコメントと情報項目を整理し標準化することで,病院Websiteを視覚障がい者がより利用しやすくする環境を整備できるものと考える.