医療情報学
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原著-研究論文
病院情報システムが関連した問題事象の根本原因を利用者行動指向で把握するための概念モデル
津久間 秀彦渡邊 春美須原 麻砂江島川 龍載田中 武志池内 実須藤 優内藤 秀志若林 信浩守本 京平
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2016 年 36 巻 3 号 p. 95-111

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抄録

 病院情報システム(HIS)の不適切な利用に関係した問題事象は,長きにわたって多くの病院で発生しており,様々な対策が講じられてきたが状況は改善していない.教育や広報はもちろん重要であるが,HISの機能や運用が間違った利用者行動を誘発する可能性がないかを検討することも必要である.そこで,問題事象の根本原因を的確に把握するために,次の4つを特徴とする概念モデルを提案した.すなわち,(1)ヘルプデスク問い合わせデータやインシデントレポート等,HISに関連した問題事象を統合管理,(2)問題事象の根本原因の候補として「利用者行動/HISの機能・性能・機器/運用/教育・広報/組織的対応力」を採用,(3)問題事象の因果関係と関与者のスキルに関する情報を収集,(4)問題事象の根本原因の時間的な認識変化を管理,である.概念モデルに基づいて問題事象整理用の簡易ツールを作成して,2014年のX病院のインシデントレポート(107件)とY病院のヘルプデスク問い合わせ事例(15件)を分析した結果,概念モデルの有用性が確認された.

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© 2016 一般社団法人 日本医療情報学会
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