医療情報学
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訪問看護業務支援システム導入による訪問看護師の書類作成時間の変化と効率化についての認識に関する調査研究
加賀田 聡子 柏木 公一篠田 和紀横山 淳一
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2016 年 36 巻 4 号 p. 197-208

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抄録

 「訪問看護記録」等に関する同一の訪問看護業務支援システムを導入した東海地方の訪問看護ステーション16ヵ所で訪問看護業務に従事する看護師84名を対象に,訪問看護業務支援システム導入による書類作成時間の変化と記録や帳票類に関する効率化の認識について検討するため,訪問看護業務支援システム導入前と導入後に自記式質問紙調査を実施した.その結果,全看護師の1日の書類作成時間(分)の平均(中央値)は,導入前88.0(60.0)分,導入後71.4(60.0)分となり有意な変化が認められた(p=0.02,導入後の変化量-16.6(-5.0)分).記録や帳票類に関する業務負担感と効率化の業務全般に関する認識については,書類の保管スペースの確保に関する認識が高く,全体の業務の効率化に関する認識が低かった.訪問看護業務支援システム導入により書類作成時間が短縮し,間接業務の効率化に繋がったと考えられる.しかしながら,業務が効率化したと認識する傾向が低く,システムトラブルを最小限に抑えた工夫と訪問看護師のニーズに沿った現場で利用しやすいシステムの検討が求められる.

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© 2016 一般社団法人 日本医療情報学会
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