診療情報の電子化と診療参加型臨床実習の推進に伴い,臨床実習での診療情報管理に新たな課題が生じている.本研究では,国立大学病院における医学科臨床実習支援システムの機能・運用の現状と課題を明らかにするために,「診療参加型臨床実習の実施状況/診療情報管理に関する教育体制/ルールの遵守方法/診療情報の保護と教育利用/臨床実習支援システムの機能・運用」等に関するアンケートを実施した.回答期間を2014年1月24日~4月11日として,42国立大学医学部附属病院のうち33病院から回答を得た(回答率79%).回答結果の分析から,診療参加型における診療情報管理の理念と,現在の運用との間に乖離がある大学病院が多いことが明らかとなった.病院情報システムにおける臨床実習支援システムの今後のあり方について全国規模で議論されるべきである.