2017 年 37 巻 1 号 p. 36-37
研究目的
ITを活用することで臨床研究・治験をより効率化し,信頼性を高める方法が求められている.以下の4つの課題について目標を定め検討した.1)患者数調査のためのデータベースの構築:治験ネットワークの被験者リクルートの支援のために,各医療施設で診療している各疾患の患者数を統一の方法で求め,施設間で比較可能とする方法を提示する.2)治験審査資料の電子化による治験審査の効率化:治験審査資料の電子化の現状を調査し,治験事務局業務を効率化させるための課題を明確にする.3)病院情報システムとEDCの連動による症例報告書作成とデータ収集の支援:電子カルテシステムへの入力データを引用して電子症例報告書を作成し,データセンターのEDC/CDMSに送付するシステムをめざし,その機能要件をまとめる.4)リモートSDVによるモニター業務の効率化:一般に普及可能なリモートSDVの仕組みを考案し,その実現性を検証するとともに運用上の留意点をまとめる.