2017 年 37 巻 6 号 p. 277-284
情報科学演習における学生の学習行動を潜在性という立場から分析した.われわれは質問紙の回答から潜在的なランクに分かれる項目を示した.項目平均情報量を用い再度構造性の有無を確認したところ,回答の反応性のばらつきとそうではない項目が見られ,前者は項目平均情報量が大きく何らかの潜在性を示す傾向であった.後者は潜在性が見られず,項目平均情報量は低値であった.項目平均情報量が大きい項目では学習行動という点から意識の分散あるいは自己意識の拡散があるとみられ,演習期間中を通しこの傾向は変わらなかった.これらの点は類似性という立場から多次元尺度構成法,クラスタ分析においてもほぼ同様の結果となっており,学生に対する学習行動のアドバイスに役立つものと思われた.更に学習行動の定量的な解析という観点から,協働し学習する際の自己と他者の定量的な関係性にも発展するものと思われる.