生活関連サービスについて,北海道では札幌を始めとする都市部への集中が顕著であり,医療資源についても地域偏在が報告されている.その例として医師の偏在が報告されているが,その他の医療従事者の地域偏在を評価した研究はほとんどない.本研究では,資源分布の偏在や不平等性の評価指標であるGini係数を用いて北海道の二次医療圏での診療放射線技師,医師,看護師,薬剤師,理学療法士(PT),作業療法士(OT)の地域偏在の評価を職種間比較の観点から行った.Gini係数は小さいほど偏在が小さいことを表し,医師では0.160,看護師では0.163,薬剤師では0.159,診療放射線技師では0.137,理学療法士では0.276,作業療法士では0.289であった.Gini係数の職種間比較では,PT,OTのGini係数が他職種と比して高値であることが示されたため,PT,OT数が少ない地域においての理学療法,作業療法サービスの充足度を検討する必要性が明らかになった.