2020 年 39 巻 4 号 p. 205-216
医薬品には,目的別に様々なコード体系が存在し,医療機関ではその利用目的によって異なるコードを使用する必要があるため,一つのシステムの中で複数のコードを関連付けて管理する必要が生じている.その際,どのような場面でどのコードを使用するべきか,また各コードの関係について理解しておくことは,医療情報システムにおける医薬品情報の標準化を推進する上でも,また複数のコードを現場で効率的に管理しつづけていく上でも大変重要である.
そこで,本論文では,主な医薬品コード体系と相互関係について現状を調査し,考察すると共に,複数の医薬品コードを効率的かつ効果的に管理し運用していくための医薬品コード関連マスターのあり方としてGS1バーコードを基準とした新しい対応マスター「GS1基準医薬品コード統合共通マスター」[G-DUSマスター(ジーダスマスター)]を提案し,その活用について解説する.