人的医療資源の地域偏在に関する先行研究の多くは医師に関するものであるが,医療活動は複数の医療専門職の組合せと協力によって成立しているため,特定の職種が不足すると医療活動全体に悪影響を与えることも考慮する必要がある.そこで本研究では,二次医療圏での医療従事者6職種(医師,看護師,薬剤師,診療放射線技師,理学療法士,作業療法士)の組合せと相関関係に着目し,Gini係数を用いて職種間の地域偏在度(以下,偏在度)を相対的に比較する統計的アルゴリズムを用いて日本全域を対象にその偏在度を実証的に分析した.その結果,1)医療従事者6職種の偏在度は2つの主成分で約86%説明でき,2)第1主成分は主に医師・看護師・薬剤師・診療放射線技師の偏在度を表し,3)第2主成分は主に理学療法士・作業療法士の偏在度を表し,4)全域的に人口密度が低い地域では6職種の偏在度が高く,5)大都市を抱える地域では医師・看護師・薬剤師・診療放射線技師の偏在度が高いことが明らかとなった.